オーガニックスーパーなどの商品についているBIO(オーガニック)認証。いくつか種類があるようですが、それぞれどのような違いがあるかご存知でしょうか。
実は、同じBIOでも種類によって基準は全く異なるのです。
そこで今回は、ドイツのオーガニック食品についているBIO認証マークの種類とそれぞれの認証基準について紹介します。
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EU・ドイツによるBIO認証
BIO認証には、EU・ドイツが定めているものと農業団体などで独自に定められているものがあります。
まずはEU・ドイツによる認証を紹介します。
EU-Biosiegel:EUの旗のような星のマーク
旗を思わせるような長方形に12個の星が描かれているマーク。
2011年7月1日からEU内で生産された全てのBIO商品に提示が義務付けられたマークです。EUの最低基準(例:原材料の95%がオーガニック栽培によるものである)を満たす必要があり、1年に最低1回、管理局の審査を受けなくてはいけません。
このマークは、以下のような商品には提示されていません。
- 肉、魚などの生鮮食品
- 化粧品
- 医薬品
- 遺伝子組み換え商品
Deutsches Bio-Siegel:六角形のBIOマーク
2001年から始まり、現在は約4000の生産者による60000点の商品が認められているドイツのBIOマークで、EUのBIOマークへの併記のみ認められています。(単体での掲載は不可)
このマークが付いている商品は化学調味料、香料、着色料などが不使用、動物はBIOの肥料や餌で育てられていますが、遺伝子組み換え原料の使用は全体の5%以下であれば認められています。
オーガニック農業団体による独自のBIO認証
EU・ドイツの認証マークは、REWEやEDEKAなどの普通のスーパーのBIO商品でも多く見かけることができます。
一方、オーガニック農業団体が独自で定めているBIO認証がついている商品は、Bio CompanyやAlnaturaなどのオーガニックスーパーに多くあります。
Bioland
Logo: © Bioland
900以上の生産者による5000以上の商品に掲載されている、ドイツ最大のオーガニック農業団体によるBIOマークです。
このマークの認証基準はEUのBIO認証基準とは異なる独自のルールによります。Biolandは自然で肥沃な大地の促進、資源の再利用と自然のサイクルの循環を目的とした団体です。
Demeter
Logo: © Demeter e.V.
1924年に創設されたドイツで最古のオーガニック農業団体による認証で、食品、衣類、化粧品に使われています。堆肥、薬草、ミネラルから生成された独自の農薬を使用しています。
ドイツ全土に約1500Demeterの契約農家、約300の自然食品の生産者や卸売りのパートナーを持っています。
歴史があり、確立された理念のもとに自然保護などの活動も行っている団体なので、ここの商品の品質は信頼できそうですね。
Naturland
Logo: © Naturland e.V.
食品だけでなく、テキスタイル(布製品)や化粧品にも使われているBIOマークで、森林・水源保護におけるドイツで2番目に大きいオーガニック農業団体によって認証を受けています。
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ドイツのBIO(オーガニック)認証基準比較
これまで紹介したBIO認証について、いくつかの基準を比較すると以下のようになります。
↓基準/→ブランド | 従来の生産 | EUマーク | Naturland | Bioland | Demeter |
1つの小屋で飼育できる鶏の最大数 | 制限無し | 20,000 | 12,000 | 6,000 | 3,000 |
1平方メートルごとの産卵鶏の数 | 10 | 6 | 6 | 6 | 4.4 |
1ヘクタールごとの豚の数 | 制限なし | 14 | 10 | 10 | 10 |
オーガニック肥料・餌 | 規定なし | 95% | 100% | 100% | 100% |
使用が認可されている添加物 | 300以上 | 47 | 22 | 23 | 13 |
遺伝子組み換え品の使用 | 使用可 | 総量の5%まで | 不可 | 不可 | 不可 |
このように比較するとEU認証のBIOは基準が他のものと比べていくらか緩いことがわかります。
1つの小屋で飼育する鶏の数や1ヘクタールごとの豚の飼育数は安全よりも美味しさに影響するのだと思いますが、オーガニック肥料の使用が95%であればOKである点や、5%の遺伝子組み換え品の使用が認められている点を考えると、EU認証のBIO製品については100%安全と言えないですね。(BIOでない製品に比べたらより安全であることは確かですが)
別記事でも書いたのですが、Leweなどスーパーのプライベートブランドのオーガニック製品は、Biolandなどの商品に比べて少しだけ安いことがありますが、これは基準を満たしながらも添加物を利用してコストダウンをしている背景もあるのではないかと考えています。
まとめ
BIOマークのついている商品がついていない商品に比べて安全性が高いことは確かですが、オーガニック=100%安全というルールは必ずしも成り立たないようです。
今回調べてみて、個人的にはEU認証BIOが5%以下であれば遺伝子組み換え品の使用が認めていることが大変ショックでした。
ただ、気にしすぎると本当に食べられるものがなくなりますし、食べることは人生の楽しみでもあるので、こういった知識を持ちつつ、食べたいものを食べればいいかなと思います。
参考文献:
- https://eatsmarter.de/ernaehrung/news/bio-siegel
- https://www.oekolandbau.de/bio-siegel/
- https://www.alnatura.de/de-de/ueber-uns/biolandbau/siegel-und-verb%C3%A4nde
コメント
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[…] ドイツのオーガニック認証の種類と内容はこちらの記事で解説しています。同じBIOでも厳しさが違うので注意です。→ドイツのBIO(オーガニック)の種類と認証基準。どれが一番安全? […]