こんにちは!Yuriです。
ドイツに長く住んでいると、引越しをする機会もあると思います。その時に気になるのが、どのような準備や手続きが必要なのかです。
そこでこの記事では、不動産会社・大家への退去の連絡、引越し業者の選定、郵便の転送手続き、保険や年金などの住所変更手続き、不用品の処分など、私が引越しでやったことを紹介します。
ドイツ国内での引越しや日本への帰国など、国内外への引越し準備の参考になれば嬉しいです。
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【国内・国外共通】ドイツでの引越しでやること
私が引越し準備として行ったことで、引越し先がドイツ国内・国外に関わらずやらなければいけないことを紹介します。
参考として、今回の私の引越しの内容について簡単に共有しておきます。
- ドイツ・ベルリンからアメリカへの引越し(移住)
- 入居していた物件は、不動産会社が管理する物件(個人からの賃借ではない)
- 2023年9月末に退去・引越し
できるだけ時系列(やる順番)で解説していきますが、これから紹介する手続きが全てのケースで必要とは限りません。また、人によってはここで挙げている手続き以外でやらなければいけないことがある可能性もある点は、ご了承ください。
不動産会社/大家に退去の連絡
不動産会社や大家に退去の連絡は、引越し準備の最初のステップです。契約内容によって、何ヶ月前に連絡する必要があるかが異なります。(私の場合は3ヶ月前でした)
契約書に「退去の際はschriftlich(書面)での連絡が必要」と書いてあっても、まずはメールや電話など普段やり取りしている方法で連絡してみることをおすすめします。
管理側が用意した退去通知書にサインしてPDFをメール添付すればOKであったり、メール=書面としてみなされて、紙である必要はなかったりするかもしれません。
部屋の引渡し条件の確認
退去時に、部屋をどのような状態にしておくべきかを確認します。これは日本と同じで原状回復が基本です。
入居時に部屋が空っぽであった場合は空っぽに、家具付きであった場合はその家具は残した状態にします。入居中に壁にペイントをした場合には、元の色に塗りなおす必要があります。
なお、これから解説する以下のようなケースでは、一部の家具や家電を残したまま退去できる可能性があります。
- Nachmieterがいる場合
- Vorabnahmeで物件の管理側と合意した場合
それぞれについて詳しく解説します。
Nachmieter(次の入居者)とは
Nachmieterとは、あなたが退去した後にその物件に入居する新しい住人のことです。日本ではありえませんが、ドイツでは退去時に、自分でNachmieter(次の入居者)を探すことがとてもよくあります。
なぜ退去する人が次の入居者を探すのかというと、Nachmieterは大家や不動産会社だけではなく、退去者にとってもメリットがあるからです。
【物件管理者(大家・不動産会社)のメリット】
- 次の入居者を探す手間が省ける
- 空室期間をなるべく短くできる
【退去者のメリット】
- Nachmieterが合意すれば、家具や家電を残したまま退去できる
- 即時退去ができる可能性がある
つまり、本来であれば部屋を空っぽにしなければいけないところを、Nachmieterを見つけることでその手間を省けるのです!
ただし、Nachmieterについては留意点もあります。
私の場合、Nachmieterを見つけてできるだけ家具・家電をそのまま引き継いで退去する計画でしたが、不動産会社に「退去後に清掃するからNachmieterはダメ」と言われてしまいました。
また、Nachmieterが必ずしも全ての家具家電をそのまま引き継いでくれるとは限りません。「ベッドはいるけどソファはいらない」といった場合には、退去時に処分する必要があります。
Vorabnahme(事前確認)とは
Vorabnahmeとは、退去に先立ち、大家や不動産会社の担当者がまだ家具・家電がある状態の物件を見に来る、いわば退去前の事前チェックです。
Vorabnahmeの主な目的は、退去時の物件のあるべき状態のすり合わせです。Vorabnahmeの時点で管理側から「壁が変色しているので退去までに白に塗っておいてください」といったことを言われます。
反対に「この家具は残しておいて(買い取ります)」みたいなことを言われるケースもあるらしいです。(これは大家が個人の場合のほうがあり得るかもしれません)
Vorabnahmeが実施されるかどうかは管理側の方針によります。私の場合、不動産会社からもらった退去の手引的な書類には、「担当者に連絡してVorabnahmeを行うように」と書いてありましたが、その担当者からは「Vorabnahmeは不要」と言われ、実施されませんでした。
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水道・電気・インターネットなどの解約
退去の日付が決まったら、水道、ガス、電気、インターネットなどの業者に連絡して、解約手続きをしておきましょう。
解約に際してやることは業者によって異なると思うので、ここでは私がやったことを書いておきます。
- 水道:退去日のメーターをチェックして、オンラインで数値を入力
- インターネット:解約後14日以内にルーターをプロバイダーに返送
- 電気:特になし
- ガス:おそらくうちはオール電化
引越し業者/粗大ごみ業者の手配
荷物が少ない場合には車やレンタルのトラックで自力で引越しもできますが、大型の家具・家電がある場合には、業者に頼む必要がでてきます。
ドイツ語で引越しはUmzug、引越し業者はUmzugsfirmaまたはUmzugsunternehmenです。ベルリンにお住まいの場合は「umzugsfirma Berlin」で調べてみましょう。
複数の業者から相見積もりをとって業者を選定したい場合には、上の画像のように検索キーワードにvergleich(比較)を追加してください。荷物の量や引越し先までの距離などを入力すれば、複数業者に見積もりを一括申請できるサイトがでてきます。
私はcheck24を使って複数社から大まかな見積もりをもらった後、サービス内容やコストなどから絞った2社に連絡し、無料のBesichtigung(内見)に来てもらいました。
不用品の処分・売却
引越し先に持っていかないものの処分や売却も、時間があるうちに少しずつ進めていきます。
エコ意識の高いドイツでは、不用品や中古品の個人間の売買がとても盛んです。多くの人が使っているのがkleinanzeigen.deというサイトです。
使い方の説明は割愛しますが、アカウントを作成→出品(Anzeigeの作成)→購入希望者と合意すれば交渉成立!という非常にシンプルなステップで利用できます。
kleinanzeigenはいわゆるフリマアプリになりますが、メルカリなどの日本のフリマアプリとは、以下のような違いがあります。
- 出品時に配送(Versand)かピックアップ(Abholung)かを設定できる
- 金銭のやり取りは出品者と購入者の間で直接行う(運営側の介入やサポートはなし)
- 販売手数料や利用手数料がなく、完全無料で利用できる
日本のフリマアプリがしっかりとビジネスとして確立・運営されているのに対して、kleinanzeigenはフリーマーケットや地域の掲示板をオンライン化したようなイメージです。無料で使える分、トラブルがあった際の解決も自力で行う必要があります。
「取りに来るといった日時に来ない」「メッセージの文面が失礼」など、マナーが悪い利用者もいるようです。ただ、出品物の寸法や状態がわかる写真を用意し、相場以上の値段設定にしなければたいていのものは売れるので、ぜひ使ってみてください!
郵便の転送手続き
引越し前の住所宛ての郵便物を、新しい住所に転送してもらえるDeutsche PostのNachsendeservice(有料)というものがあります。(他の業者による同じようなサービスもあり)
Deutsche Postの場合、転送開始日の5営業日前までに申し込みをすればよいですが、引越し前は色々とバタバタすると思うので、必要な方は早めに申し込んでおきましょう。
ちなみに、私はベルリンで2回引越ししましたが、転送サービスを使ったのは今回(アメリカへの移住)のみです。1回目の引越しでは、以下の理由から不要と判断しました。
- 引越し後に大事な郵便物(請求書など)が届く予定が特になかった
- 前の家と新しい家の距離が近く、また前の部屋は大家から一部屋だけ間借りしていた状態だったので、何か届いた場合は連絡が来る+取りに行くことができた
今回の引越しは1回目とは反対に、医療費の請求書が届く予定があり、国外への引越しでいざというときに郵便物を確認する手段がないため、お金を払って申し込みしました。
ドイツ国外への転送ができるかわからなかったので、転送先の住所はドイツ国内の夫の実家にしました。
定期の解約
ベルリンからハンブルクといったような都市をまたぐ引越しや、ドイツ国外への引越しでは、電車やバスの定期の解約も忘れずに。BVG(ベルリン交通局)の場合、解約はオンラインまたは窓口で行えます。
直前の手続きだと「解約日が引越しした月の翌月末」といったことが起こり得るので、早めにやっておきましょう。
荷造り
荷造りについては日本と同じです。引越し業者やホームセンターで購入したダンボールに荷物を詰めていきます。
1つ注意点としては、ドイツの引越し業者や荷物の配送業者は日本ほど丁寧に荷物を扱ってくれません。壊れやすいものは丁寧に梱包しましょう。
アメリカに送るために詰めたダンボールを受け取りに来てもらった際、業者の人が私の目の前でダンボールを縦にして持っていきました。
また、海外に発送する場合には最悪紛失の可能性があることも覚悟しておきましょう。
原状回復
引越しには費用がかかるので、入居時に納めたデポジット(敷金)は退去時にすべて返金してもらいたいものです。
デポジットの満額返金とスムーズな退去のために、入居中についた壁の汚れや開けた穴、壊してしまった部分は、可能な限り修復しておきましょう。
とは言え、ちょっとした汚れや壁の穴をなくすために、わざわざ業者を呼ぶ必要はありません!ホームセンターやAmazonなどでは簡易的な修復グッズが売っているので、それを使うのがおすすめです。
私が使ったのはこちらの3種類。
画像出典:https://www.amazon.de/-/en/545948/dp/B07HKFHZSD/ref
Reparaturspachtelは壁のちょっとした剥がれや穴を塞ぐのに大活躍!
画像出典:https://www.amazon.de/-/en/Molto-Easy-Wall-Paint-White/dp/B08WPBC412/ref?th=1
Wall Paintは、白さがもともとの壁の色と微妙に違うので、広範囲には向かないものの、ちょっとした汚れを消す(隠す)のには大変便利です。
画像出典:https://www.amazon.de/-/en/81655284/dp/B00WCY1GPU/ref
おそらくメラミンスポンジです。水に濡らして使います。こちらは壁についた大きめの汚れを落とすのに使いました。
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部屋の引き渡し(Endabnahme)・鍵の返却
荷造りや荷物の発送・運び出しなどが終わったら、いよいよ部屋の引き渡し(Endabnahme)と鍵の返却です。引き渡しの日時は、あらかじめ大家や不動産会社の担当者と取り決めておきます。
当日の流れは日本とあんまり変わらないかと思います。もっと隅々までチェックされるかと思ったら、さらっと部屋を見て「OK!デポジット(ドイツ語でKaution)は後日振込みしますね」と言われました。
保険会社・銀行・税務署などへの住所変更連絡
日本と同じく、引越しをして住所が変わったら、保険会社や銀行、クレジットカード会社、税務署、年金機構、勤務先、学校などに住所変更の連絡を行いましょう。
引越し前の住居でRundfunkbeitrag(日本のNHK受信料のようなもの)を支払っていた場合は、その手続きも必要です。
Rundfunkbeitragについてはこちらの記事で解説しています。
一つ一つに連絡するのが面倒な場合は、Umzugsmitteilungという無料のサービスが便利です。古い住所と新しい住所、連絡先などを入力すれば、そのサービスの提携先に一括で住所変更連絡をしてくれます。
ただし、具体的にどこに連絡してくれるのかまでは不明です。無料なので念のため利用しつつ、医療保険などの重要な契約先には個別に連絡しておいたほうがよいでしょう。
Umzugsmitteilungは、Nachsendeservice(郵便転送)と一緒に申し込むことも可能です。無料オプションになっているので、ついでに申し込むといいですね。
引越し先での住民登録
ドイツ国内での引越しの場合、引越し後14日以内に新しい住所での住民登録が必要です。他の都市ではわかりませんが、ベルリンは市役所の予約は数ヶ月先まで予約がいっぱい、ということも珍しくないので、引越しの日取りが決まったら、あらかじめ予約をとっておきましょう。
ちなみに古い住所での転出届は必要ありません。新しい住所で住民登録をすると、自動的に登録が切り替わります。
ドイツ国外への引越しで必要な手続き
日本などドイツ国外に引越しする際には、追加で必要なこともあります。簡単に解説していきます。
個人事業主の終了届 ※フリーランスの場合
ドイツでフリーランスをやっている方は、税務署に個人事業主の終了届を出しましょう。税務署に足を運ぶ必要はありますが、手続きとしてはフォームに記入するだけなので、時間があるときに済ませておくのがおすすめです。
転出届(Abmeldung)の提出
ドイツ国内の引越しでは不要ですが、国外の場合には転出届の提出(Abmeldung)をしなければいけません。ベルリンの場合、転出日の7日前から可能です。
方法は、①身分証明書を持参して市役所に直接書類を提出する、②書類と身分証明書のコピーを郵送する、の2つです。
転出届が受理されると、Abmeldebescheinigung(転出証明書)がもらえます。証明書は、引越し前のドイツ国内の住所、または引越し先の国外の住所に届きます。
ドイツ国外に退去した(する)ことを証明する大切な書類なので、大切に保管しておきましょう。
各種保険の解約
転出届を役所に提出し、転出証明書が手元に届いたら、そのコピーやスキャンしたデータなどを医療保険や職業保険などの各種保険会社に送り、解約手続きを行います。
通常、保険は契約期間の切れ目(更新のタイミング)以外の解約だと手数料がかかったりしますが、国外退去は例外です。退去日を最終日として契約が終了になり、前払いした保険料などは後日返金されます。
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引越し準備は計画的にやろう
ドイツからアメリカに引越しをするにあたってやったことをざっと書いてみたら、かなりのボリュームになってしまいました。1つ1つの手続きは簡単でも、それらが積み重なるとかなりの労力を必要とします。
引越し直前は荷造りや不用品の処分などでバタバタすると思うので、できることは早め早めにやっておくのがおすすめです!
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