ヨガとピラティスの違いは?効果・どっちがおすすめかを目的別に解説

こんにちは、ヨガ・ピラティスインストラクターのYuriです。

しなやかで美しい体を作ることが期待できるピラティス。瞑想など心を穏やかにすることが期待できるヨガ。

ヨガスタジオのレッスンの中にピラティスがあるところもありますが、そもそもピラティスとヨガの違いとは何なのでしょうか。また、ヨガとピラティスはどっちが良いのでしょうか。

今回は、ヨガとピラティスの違い、それぞれの向き不向き、ダイエットなどの効果の違いについて解説します。「ヨガかピラティスかで迷う」という方の参考になれば嬉しいです。

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ヨガとは

ヨガはインドで生まれた精神や身体の修行法の1つ。その歴史は古く、少なくとも3000年と言われています。

ヨガというとヨガのポーズ(アーサナ)をまず思い浮かべる方も多いかと思いますが、実はヨガ=ポーズだけではありません。

ヨガはアーサナ(ポーズ)の他にも思想(哲学)、呼吸法、瞑想などのいくつかの要素から成り立っており、このヨガの考えに基づいた生活を実践することで精神に平和が訪れる(穏やかな人生を送れる)と言われています。

このヨガの思想は今でも変わっておらず、ヨガの思想を元に生活を送っておられる方もたくさんいます。

しかし、ヨガスタジオなどがあふれる現代においては、ヨガは健康・フィットネスビジネスとしての側面も強くなってきていると思います。

ヨガとストレッチの違い

ヨガでは体(筋肉)を伸ばすポーズが多いので、ストレッチと同じようなものだと思っている方もいるかもしれません。

しかし、ヨガとストレッチは全く別物です。

上で解説した通り、ヨガはただ体を伸ばすだけのものではありません。ヨガの世界は本当に奥深く、私自身まだ理解できていない部分もたくさんあります。

ただし、繰り返しになりますがフィットネススタジオなどで行われているヨガのレッスンは、こういった小難しい話を抜きにして「ストレッチ+筋トレ」みたいな雰囲気になってることもあります。

ピラティスとは

ピラティスとは、ドイツのPilates(ピラティス)さんという人によって1900年代前半に開発されたトレーニングメソッドです。

ヨガとピラティスの目的の違いについてはこの後解説しますが、ヨガが精神や心の安定を目的としているのと違い、ピラティスは身体機能の強化が目的。

子供のころから身体が弱かったピラティスさんは、様々なスポーツを体験する中で運動時の呼吸の役割や正しいトレーニング手法について興味を持つようになりました。

その後、従軍看護師として第一次世界大戦で負傷した人々のリハビリを行った際、自身が考案したトレーニングメソッドを用いたのがピラティスの始まりです。

リハビリの手段として開発されたこともあり、本来のピラティスのトレーニングはマットの上で座ったり横になってできるものが基本になっています。

最近ではボールや器具を用いたピラティスも多く行われていますが、それは本来のピラティスが発展した形ということです。

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ヨガとピラティスの違い

ヨガとピラティスは同じようなものとして捉えている方も多いですが、これまでの解説の通り似て非なるものです。

それぞれの大きな違いを解説しましょう。

目的の違い

ヨガとピラティスの大きな違いの一つは、目的です。

ヨガの目的は身体・精神のコントロール

ヨガとは、で解説した通り、ヨガの目的は身体や精神のコントロールにあります。

ヨガの教えには「嘘をつかない」「身体を清潔に保つ」「現状に満足する」など日常生活で気をつけるべき考えや行動もあります。つまり、瞑想や呼吸法、ポーズだけでなく、ヨガの理念を理解し日常生活で実践すること全てがヨガなのです。

ヨガが心にもたらした良い変化は、私自身も日々実感しています。ヨガの効果についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。

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ピラティスの目的は身体機能の強化

ピラティスの目的は身体機能の強化です。ヨガと違って精神面については焦点をあてていないのが大きな違いです。

トレーニングを通して、身体の深層部の筋肉(コアマッスル)を強化し、日常生活の中で歪んでいく身体や姿勢を元の位置に戻していきます。

ピラティスをすると肩こりや腰痛が改善したり痩せたりするのは、身体が本来あるべき状態になることによる副次的効果と言えます。

呼吸法の違い

ヨガとピラティスのもう一つの大きな違いが、呼吸法です。

ヨガは腹式呼吸

ヨガでは、お腹で息をする腹式呼吸です。

興奮している時にリラックスさせるために深呼吸をするように、腹式呼吸には副交感神経を活性化させ、乱れた自律神経を整える効果があります。

自律神経は身体機能の調整や制御を行う重要な器官。自律神経の乱れは、疲労感や頭痛、不眠や肩こり、動悸や吐き気などの様々な症状をもたらします。

お腹でゆっくり、ゆったりと息をしながらヨガをすることで、心と体のバランスが整えられ、深いリラックス効果を得ることができます。

ピラティスは胸式呼吸

一方、ピラティスは胸で息をする胸式呼吸で行います。

胸式呼吸は、腹式呼吸の反対の効果、つまり身体をアクティブにする効果があります。交感神経が活発化され、ポジティブで活動的な気分になります。

ピラティスの呼吸法は、胸の周りが風船のようにぷく~と膨らむようなイメージで行います。これにより横隔膜が動かされ、自律神経も整えられます。

ピラティスが胸式呼吸であるもう一つの理由が、ピラティスのトレーニングにはお腹周りの筋肉の引き締めが重要であることです。

おへそをぐっと中に入れてお腹を引き締めて、息を吸ってみてください。自然と胸式呼吸になりませんか?

このように腹部を引き締めた状態でトレーニングすることで、効率的に体幹を強化することができるのです。

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ヨガの向き不向き

ヨガとピラティスはどっちがいい?と迷ったら、ヨガ・ピラティスをやる目的やお悩みによって決めると良いでしょう。

ヨガが向いている人

次のようなお悩みや期待がある人は、ヨガがおすすめ。

ストレス発散したい

仕事などの他のことを一切考えず、ただその瞬間に意識を向けて行うヨガはストレス発散にとても効果的です。

ホットヨガで思いっきり汗をかいてリフレッシュしたり、ゆったりとしたリラックスヨガで贅沢な自分だけの時間を楽しんだり、あなたの好きなヨガを見つけて楽しんでください。

夜ぐっすり眠りたい

睡眠に関する悩みがある方にもヨガはおすすめです。腹式呼吸で行うヨガは、副交感神経を優位にしてリラックスした精神状態をもたらします。

YouTubeなどで「リラックスヨガ」「おやすみヨガ」「インヨガ(Yin Yoga)」などと検索すると、15分~30分程度のものがたくさん出てくると思います。

お気に入りを見つけて、ぜひお休み前の習慣にしてください。

イライラを抑えたい

最近イライラしがち…という方は、ヨガでマインドコントロールをしましょう。

あなたのイライラは、あなたの心(自律神経)の乱れから来ています。

ヨガでストレスやネガティブなことをコントロールする術を身につければ、無駄なことで怒ったりイライラしてエネルギーを消費することもなくなります。

ヨガが向いていない人

反対に、次のような人はヨガよりもピラティスがおすすめです。

効率的に筋肉トレーニングをしたい

ヨガは瞑想など心に働きかける要素もあるので、体を鍛えるトレーニングとしては効率的とは言えません。

動きが大きいパワーヨガのクラスであっても、ストレッチやリラックス系のポーズをやることもけっこうあるので、体の引き締めやダイエットが第一目的の人はピラティスの方が効率的にできると思います。

ピラティスの向き不向き

次に、ピラティスに興味があるけどなかなか一歩が踏み出せない、という人のために、ピラティスがおすすめできる人・できない人を解説します。

ピラティスが向いている人

ピラティスは次のようなお悩みを持つ方に特におすすめです。

筋肉をつけたい

呼吸のテンポに合わせてリズミカルに行うピラティスは、女性らしいしなやかな体作りにぴったりです。すっきりとしたお腹周りキュッと引き締まったお尻が手に入ります。

筋トレは苦手だけど筋肉をつけたいという方にもおすすめ。私自身、1時間の筋トレはきつくてできませんが、1時間のピラティスはつらいながらもできてしまうのが不思議なところです。

ピラティスは「体を自然な元の形に戻す」がコンセプトなので、アスリートのようにムキムキのようになる心配もありません。

姿勢を矯正したい

猫背や反り腰などの姿勢を矯正したい方はピラティスを行うことで改善が期待されます。

そもそも姿勢が悪くなってしまうのは、体を支える筋肉が弱いからです。ピラティスで体を本来あるべき形に治すことで、背筋がスッとなります。

猫背などが原因の肩こり、首こり、腰痛などの改善も期待されます。

健康で元気な体をキープしたい

年齢を問わず、いつまでも健康で元気な体をキープしたい!という方にもピラティスはおすすめ。

ピラティスではダンベルなどの器具による重さではなく、自分の体の重さをトレーニングに使います。これにより、体に過度な負荷がかかることなく自分のレベルにあったトレーニングを行うことができます。

私がピラティスを教えている生徒さんは、20代から60代近くまで幅広い年代の方いらっしゃいますが、筋肉量などそれぞれのレベルにあったトレーニングがあるのもピラティスのいいところです。

ピラティスが向いていない人

反対に、次のような人はピラティスをしても満足感が得られないかもしれません。

リラックスしたい

ピラティスはリラックス要素はないので、ストレスの発散など精神的な効果を期待する人は「ちょっと違う」と違和感を感じてしまうかも。

実際、普段ヨガをやっていて、試しにピラティスに参加した人からは「私はヨガの方が好きかな」と言われたこともあります。

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ヨガとピラティスはどっちが痩せる?

ダイエット目的でヨガやピラティスを始めようと思っている方も多いと思います。

個人的な経験として、ヨガよりもピラティスのほうがダイエットにはおすすめです。理由は、ピラティスの方が効果的に筋肉にアプローチするからです。

ヨガとピラティスの違いで解説した通り、両者はまず目的が違います。ヨガと違ってピラティスは体(筋肉)に焦点を当てているので、トレーニングも体に直接働きかけるものがメインになります。

ヨガのダイエット効果

ヨガよりもピラティスのほうが高いダイエット効果が期待と書きましたが、ヨガをやっても痩せないというわけではありません。

私自身、ヨガを定期的にやるようになってから体重も体脂肪も落ちました。ヨガが好きで、ついでにキレイになりたいな、という方は無理をしてピラティスをする必要はありませんよ。

ヨガのダイエット効果ついてはこちらの記事で詳しく解説しているので、よかったら合わせて読んでみてください。

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ヨガとピラティスは併用がおすすめ

目的や呼吸法などに違いはあっても、ヨガもピラティスも心と体の健康にとても効果的なのは違いありません。

ヨガ・ピラティスインストラクターとしてのどちらの良さも実感している私にとっては、ヨガとピラティスは併用がおすすめです。

ヨガは週2回、ピラティスは週1回程度から始めてみて

ヨガとピラティスをあわせてやる場合はヨガを週2回、ピラティスを週1回程度から始めてみるといいと思います。

合計すると週3回なので、2日に1回のペースで体を動かすことができます。もちろん、回数を増やしても大丈夫!やりたい方は毎日やってもらってもいいです。

ヨガのおすすめ頻度についてはこちらの記事で解説しています。ご参考ください。

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まとめ

ヨガとピラティス、よく似ているようで実は様々な違いがあります。

細かい効果は違いますがどちらも心と体の健康に効果があり、インストラクターとしてはどちらもおすすめ!なので、ぜひどちらも試してみてください。

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