こんにちは、ヨガ・ピラティスインストラクターのYuriです。
ヨガスタジオでのレッスンに参加した時、クラスの始めや終わりに「オウム(オーム)」や「シャンティ」という呪文のようなものを聞くことがあると思います。
これらはマントラと呼ばれ、ヨガではとても大切なもの。
今回は、このオーム(OM)やシャンティ(Shanti)という言葉の意味、唱え方(やり方)について、ヨガ初心者の方にもわかりやすいように簡単に解説します。
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そもそもヨガとは
ヨガの世界ではお馴染みのオーム(OM)ですが、初めて聞いた時には「何それ?」と焦った方が多いと思います。
私自身、インストラクターの資格を取るまで日本のヨガスタジオで週1回ペースで5年ほどヨガをやっていましたが、このOMについてきちんと理解していませんでした。
OMの意味や唱え方について解説する前に、まずはそもそもヨガとは?について簡単に解説しますね。
ヨガの歴史は古く、少なくとも3000年と言われています(諸説あり)。
ヨガ発祥の地インドでは、ヨガは昔から人々の生活と強く結びついたものでした。ヨガは思想(哲学)、呼吸法、アーサナ(ポーズ)、瞑想など要素から成り立っており、ヨガの生き方を実践することで生死の関係のない魂としての存在になれると言われています。
ヨガインストラクターになるための講習に「ヨガ哲学」があるのですが、ヨガは哲学的な要素が大きいです。「ヨガの教え」と言われるように、ヨガを深く学んだ人はスピリチュアルな雰囲気を持っていたりするのはこのため。
ちなみに、ヨギー・ヨギーニにベジタリアンが多いのもこの哲学に基づいています。(このあたりはまた詳しく書きたいと思っています)
オーム・オウム(OM)の意味
日本ではフィットネスやエクササイズの1つとして考えている人が多いヨガですが、実は歴史のある哲学的なものでもあることを理解したところで、本題に入ります。
「オーム(オウム)とは?」とウェブで調べると色んな説明が出てきます。ですが、いきなりヨガの歴史や神様の話をされたらちょっとびっくりしますよね。
今回は、オームについて簡単にわかりやすく書いていきます。
マントラの1つ
マントラとはヨガのお経、お祈りの言葉みたいなもので、幸せや心の安定などの目的をもって唱えられる言葉です。日本語だと「真言」と言われます。
なので、オームにはちゃんと意味があります。
各音の意味とOM(AUM)を唱える目的
オームを唱える時、「おぉ~~~む~~~」と聞こえたり「あ~~ぉ~~~む~~~」と聞こえたり、どの言うのが正解がわからないという人もいるかもしれません。
オームは、正確にはa(ア)、u(ウ)、m(ム)という3つの音で成り立っていて、それぞれ人間の「意識」を表現しています。
- a : 起きている状態(覚醒)
- u : 夢を見ている状態(夢)
- m : 深く眠っている状態(熟睡)
最初に解説した通り、ヨガの目的は、生きている人間が持っている様々な意識や煩悩を取り払い、魂のみの存在になること。
私達の肉体は時と共に老いていくので有限ですが、魂は実態がない無限の存在です。その魂の存在になることで死を克服し、神に近づけます。(色んな説明をすっ飛ばしてとっても簡単に言ってます)
夢も見ずに深く眠っている時、あなたは生きていますが意識がありません。あなたの周りで何が起きていようと、またその日何か最悪なことがあったとしても、熟睡している時はあなたの心は穏やかです。
この波一つない湖のような静かな状態が幸福と言われ、起きていてもこの静かな状態を体験することで魂の存在になれる、と考えられています。
仏教でも、お坊さんなど悟りを開いた方が日々の出来事で心を乱されることなく、常に穏やかな状態でいることがイメージ出来るかと思いますが、ヨガもそういった心の平和(幸福)を目指しています。
要するに、有限の肉体に入っている自分はいずれ居なくなるのだから、お金や名誉など肉体を通してしか感じられないものに執着しても意味がない、ということです。
a,u,mの3つの短い言葉にはそのような意味が込められており、これをつなげて唱えることで心の平和(波がない湖のような穏やかな状態)を作り出す目的があります。
シャンティ(Shanti)とは
オームの後に「シャンティ(Shanti)」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
シャンティもマントラの1つ。心の平和、休息、至福、平穏といった意味があります。
シャンティは「シャンティ、シャンティ、シャンティ…」3回続けて唱えることが多いですが、これにもきちんとした意味があります。
1回目のシャンティは自分自身に対して、2回目は家族や友人など、自分の周りにいる人に対して、そして3回目はそれ以外の全ての世界に対して、心の平和や平穏を願っています。
オームの唱え方
オームはa,u,mの3音から成り立つと解説しましたが、実際に唱えるときはa(ア)とu(ウ)が一緒になってo(オ)になります。
正しい言い方は、息を吸ってo(オ)を一気に吐き出し、途中で口を閉じてm(ム)に変わり、ゆっくりと終わります。
o(オ)の時はお腹から、m(ム)の時は眉間から音を出すようなイメージを持つと、心の平静にも影響している体のエネルギーバランスが整う(と言われています)。
o(オ)とm(ム)の長さは、どちらかが極端に長いものでもないので、「お~~~~~~~~~~~~む~~~~~~~~・・・」くらいです。(伝わっていれば幸いです)
音程に決まりはありませんので、みんなで唱える時は不協和音にならない程度に自分の好きな音程でOKです。
なお、日本のヨガスタジオだとOMと唱えているところはほとんどありませんが、私がレッスンをしているベルリンでは、基本的にレッスンの始まりや終わりでOMを唱えています。
ベルリンで聞く時は「ぁあお~~~~~~~~~~む~~~~~~~~~」という、o(オ)ではなくa(ア)から始まるOMが多い印象です。
繰り返し唱えることに意味がある
心の平和をもたらすオームですが、1回言っただけでその目的が達成されるなんて、そんな甘いものではありません。
繰り返し、繰り返し、声に出して、あるいは心の中で唱えることで波立っていた水が段々と穏やかになり、静かな状態になります。
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「オームシャンティ」は唱えなくてもよい
ヨガがとても奥深い思想を持ったものであることを理解頂けたかと思いますが、それを知っても「私にとってヨガとはリラックスできるエクササイズ」とすることは、私は全く問題ないと考えています。私もインストラクターになる前は、ヨガ=ストレスリセット&エクササイズだったし、スピリチュアル面を避けていました。
時代の流れに合わせて物事の考え方や位置づけが変わっていくのは当たり前です。日本でも人気のホットヨガ、SAPヨガ、Jivamukti yoga(ジヴァムクティヨガ)もここ数十年の間に生まれた新しいヨガ。そういった「新しいヨガ」が好きな人もいれば、インド古来のハタヨガやマントラ、瞑想が好きな人もいます。
自分の人生をより楽しむために都合の良い解釈でヨガを取り入れればいいので、オームやシャンティの意味を知った上で、みんなと一緒に唱えなくてもいいのです。
インストラクターは別にヨガの宣教師ではないので、レッスンに来た人にヨガの全ての強制することがありません。レッスンに来てくれた人が、60分なり90分なりのクラスが終わった時に何か気持ちに良い変化があれば、という思いで(私は)活動しているので、言いたくなければ静かに待っていればいいですよ。
マントラのワークショップや瞑想のクラスをやっているヨガスタジオもあるので、少し興味が湧いてきたらそういったものに参加してみるのもいいですね。
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