あけましておめでとうございます。三が日の概念がないドイツでは1月1日こそ祝日でお店も仕事もお休みですが、2日から通常営業です。
クリスマス休暇で1週間位休んでたりするので、新年はそれほど休まなくても大丈夫なんでしょうね。
さて、2018年、私は同居人と一緒に地元の駅の方に花火見学に向かう途中に迎えました。花火がバンバンと上がってる中、Frohes neues Jahr!と叫びながら新年を迎えた時、私はまだ知りませんでした。ドイツ人の本気の花火を。
今回はドイツ・ベルリンでの年越しを無事に終えた私が考える「ドイツ人(日本人)にとっての新年」を書きます。
【クリスマスから大晦日まで】50%OFFのサンタと大量の花火
聖なるイベント、クリスマスが終わるとドイツの街はサンタモードから年越しモードの入ります。
それまでスーパーに並んでいたクリスマスグッツやサンタのチョコレートは50%OFFになり、Feuerwerk(花火)がずらり。
ドイツでは花火は年越しの期間しか行えないので、ドイツ人にとっては花火を楽しむ年に1回のチャンスなんです。ちなみに、日本みたいに手持ちの花火は少なく、主にロケットやねずみ花火系です。
日本のお正月みたいに門松とか鏡餅といったお正月の飾り物はないので、クリスマスツリーはそのままで花火を買って大晦日を待ちます。
【大晦日当日】宴スタート
暗くなる16時頃(暗くなるの早っ)から町のあちこちから「バンッ!!!!」という爆破音が響き始めます。音が大きいんですよね、こっちの花火って。
家の中にいると「ぴゅ~~~~~」という前置きが聞こえないので、家で静かに過ごしていたらいきない「バンッ!!!!」と鳴るのでけっこうびっくりします。花火の音の頻度や回数は新年に近づくにつれてだんだんと増えてきます。
【その瞬間】花火戦争
23時半を過ぎると花火は本格化。あっちこっちでバンバン上がり始めます。公園でやってる人もいますが、家の前の道路や近所でやってる人が多いです、打ち上げ花火を!!!家の前で!!!経験して分かりましたが、ドイツ人は花火の扱いが雑です。
ワインボトルなどに打ち上げ花火を挿して、火をつけたら4歩ほど下がって鑑賞。通行人がいても車が来ても気にしません。
火気であることを理解してるんでしょうか。日本のようにいざという時のための水の入ったバケツを用意することもありません。その雑さゆえ、毎年けが人が出ています。今年は亡くなった方もいらっしゃるようです。
安全に配慮して適切な距離で花火を楽しむ文化である日本人にとって、頭上で爆音と共に花火が大量に弾ける状況はまさに戦争です。たぶん上空で鎮火するように設計されているので火の粉で火傷することはたぶんないと思いますが、自分が火をつけた花火ならまだしも、どこぞの誰かの花火がいきなり頭上で上がるのは怖いです。
ドイツでの年越しを経験した多くの人はこう言います、あれは戦争だ、と。
私が花火を見たエリアはベルリンの中では品がいいエリアなので、これがKreuzbergやNeuköllnのほうに行ったらもっと激しいのでしょう。
もしあなたが来年の年越しをドイツで過ごすなら、花火は家のベランダ、近所で見ることをおすすめします。あまり遠くに行ってしまうと、花火の嵐をくぐり抜けて帰ってこなければいけません。
私は家から10分ほど歩いた距離の場所で鑑賞した後、24時半くらいに帰ってきましたが、帰り道は本当に死ぬか、死ぬは大げさにしても火傷くらいするかと本気で思いました。
後はガソリンスタンドも鑑賞場所としてはおすすめです。さすがにガソスタで花火やる馬鹿はいないので、比較的安全に見られます。動画もガソスタから撮影しました。
【考察】新年の祝い方は国それぞれ
無事に年を越せて、私は思います。ドイツ人よ、新年を祝いたいのか花火がしたいだけなのか、どっちなのだ。そして同時に、私にとってのお正月も新年を祝いたいという気持ちよりも、お雑煮を食べて漫才を見てゆっくり過ごしたいだけなんじゃないか、と思いました。
冷静に考えれば新年を迎えることって何がめでたいのでしょうか。昔は去る1年間を生きられたことを神様に感謝し、これからの1年の家族の健康や一族の繁栄をお願い(お祈り)する、という神事の意味が強く、その風習は現在にも残っています。
しかしながら、元々はずっと同じ日々を繰り返すとメリハリがないから、1年に一回「今年はこれで終わり!」って区切りをつけることで気持ちを新たにして長い人生を前向きに生きられるように人類が編み出した生きる知恵であるように思います。
日本人が初詣をしておみくじを引いて毎年同じような「お正月」を過ごすことで「今年はこんな年にしよう」と気持ちを切り替えているように、花火でぱーっと打ち上げるのがドイツ流の区切りのつけ方なのかもしれません。
【補足】ドイツの年の瀬
日本ではお正月は帰省して家族を過ごす、という方が多いですが、ドイツでは家族と過ごすイベントはクリスマスでちょうどやったところだからか、年越しは友人などと過ごすことが多いです。
ベルリンのBrandenburg門では毎年年越しライブが催され、それはそれはたくさんの人が集まるようです。また、おせち料理はありませんが大晦日にはチーズフォンデュを食べることが多いそうです。(大人数で食べられるから)
そして1月1日の朝を迎えると花火はピタッと止み、ドイツで次に花火ができるのはまた1年後です。路上には大量の花火のゴミ。祝いっぱなし。でも、ドイツ人はこれを見て「あ~新年だな」って思うんでしょうね。
コメント
[…] はありませんが、私が住んでいるベルリンの地元での年越しの体験談を書いているので、よかったら読んでみて下さいね。→ドイツ人は新年を祝いたいのか花火をしたいのかどちらなのか […]
[…] ドイツ人は新年を祝いたいのか花火をしたいのかどちらなのか […]
[…] ちなみに、安全な距離から花火を鑑賞することに慣れている日本人にとっては、ドイツ人の花火はかなり危険に感じます。ブランデンブルク門ではありませんが、私が住んでいるベルリンの地元での年越しの体験談を書いているので、よかったら読んでみて下さいね。→ドイツ人は新年を祝いたいのか花火をしたいのかどちらなのか […]