フリーランスヨガインストラクターとしてドイツで活動し始めて約1年。3ヶ月ほど前、初めてドイツでの確定申告を実施・完了しました。
ドイツで初めての、さらにフリーランスとして初めての確定申告とあり、結局最後まで「これでいいのか・・・?」と不安でした。
正直今でも何か後から言われたらどうしようと不安ですが、先日、税務署から納税額の通知書が届いたため、たぶん問題がなかったのだろうと言うことで、来年度への備忘も込めて今回はドイツでの確定申告について書きたいと思います。
なお、こういった手続き関連のやり方はこれまで他の記事でも紹介していますが、あくまで私個人のケースです。実際にやられる際にはご自身で再度情報収集をしっかりと行うことをおすすめします。
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ドイツの申告申告の時期
ドイツの確定申告では、前年度の報告を毎年1月~6月ごろに行います。つまり、2018年1月~12月の報告を2019年1月~6月ごろに行うということです。
日本の確定申告よりも申告期間が長めに設定されていますが、申告期限は個人の状況によって異なります。具体的には、税理士(英:Tax Consultant、独:Steuerberater)などを通じて行う場合は締め切りがさらに延長されます。
また、年度によって締め切りが微妙に変わるので、年度ごとに締め切りを確認しておきましょう。”Steuererklärung 2019″といったキーワードで調べると情報が出てくるはずです。
申告方法
ドイツでフリーランス活動をされている方は税務署でSteuernummer(税番号)を取得されていることと思います。その際に小規模事業者(Kleinunternehmer)として登録している方は、確定申告はオンラインサイト”Elster”で行います。
具体的な方法は後ほど解説しますが、基本的に手続きはすべてオンラインで完結します。
※2017年度から申告制度が変更になり、これまで必要だったレシートなどの実物提出が不要になりました。ただし、提出義務はなくても保管義務はあるので、必要書類は申告が終わっても大切に保管しておきましょう。
Elster(エルスター)とは?
Elsterについて初めて聞いた方のために簡単に解説しておくと、Elsterとはドイツの税務署のポータルサイト。
利用登録を行うと(※方法はこの後解説)、マイページに入ることができます。
確定申告はこのElster経由で行う他、自身の過去の申告内容などもElsterから確認することができます。オンラインで税関連の手続きができるのでとても便利。
どれくらいの時間を確保しておくべきか
今回、私は「そもそも何の書類を提出しなければいけないのか」「どうやって書類は作るのか」などが全くわからない状態で着手したので、最初の5時間くらいはひたすら情報収集に費やしました。
その後、専門用語に苦戦しながらの書類作成にさらに5時間ほど、本当にこれで大丈夫なのかと2時間程度迷って、そろそろ考えるのも面倒になったので提出しました。
日数で言うと着手してから提出まで3日かかりましたが、実際に手を動かしていた時間は数時間なので来年度は一日で終えられるかなと思っています。
ELSTERの利用手続きは終えておくべき
確定申告に利用するオンラインサイトELSTERですが、利用を開始するためにはオンラインで利用手続き(個人情報の入力など)した後、ログインに必要な暗号キーが書面で届きます。
キーが届くまで確か1,2週間かかったような気がするので、思い立った時にすぐに確定申告が行えるように予めELSTERの利用手続きは終えておいた方が良いでしょう。
提出が必要な書類(フリーランスの場合)
必要な書類は個人によって異なるので個別に確認が必要ですが、ここでは私の場合について解説します。(Anlageとはフォーマットみたいな意味です)私が提出した書類は3種類です。
- Einkommensteuererklärung(所得税申告書)
- -Anlage S(ドイツ国内でのフリーランス活動による収入の申告)
- -Anlage AUS(ドイツ国外でのフリーランス活動による収入の申告)
- -Anlage Vorsorgeaufwand(保険料の申告)
- Anlage EÜR(収入余剰計算書)
- Umsatzsteuererklärung(売上税申告書)
1のEinkommensteuererklärung(所得税申告書)は複数のフォーマットがセットになって一つの書類になります。必要なフォーマットは個人の状況によって異なります。詳しくはこちらのサイトが参考になります。https://www.toytowngermany.com/wiki/ELSTER
書類の作成方法
書類の作成方法はいくつかあります。
- ELSTERを利用する(無料。ドイツ語のみ。説明がわかりづらいが入力してそのまま提出できる)
- Smart Steuerやwundertaxなどのオンラインプラットフォームを利用する(無料。一部有料。一部は英語対応。ELSTERよりもわかりやすいがプラットフォームを通して提出する場合には料金が発生するケースが多い。※詳細は後述します)
- 確定申告ソフトを利用する(有料。わかりやすいが多くがその年専用の申告ソフトなので毎年購入する必要がある)
- 税理士に依頼する(有料。料金は税理士の実際の作業時間で計算されることが一般的。書類を渡したら後はやってくれるので、手間は省ける)
2や3を利用すると「確定申告が10分で終わる!」みたいなことを謳っていますが、そもそも確定申告自体が初めての方やドイツ語・英語が達者でない方はある程度時間と労力がかかることは覚悟しておいたほうが良いです。
では、私が実際にやった方法を紹介します。私は上記の3種類の方法で1と2の合わせ技で行いました。
- (前準備)一年間の請求書や経費を整理し、エクセルシートなどにまとめておく。保険料の支払い証明書など必要書類を揃えて置く
- Smart Steuerを使って必要項目に入力していく
- 入力後、Smart Steuerで作成されたフォーマットをダウンロードし、それを元にELSTERに入力
- Smart Steuerで作成できなかった書類をELSTERで作成
- ELSTERで提出
Smart Steuerは先輩在住者の方のブログを読んで知り、利用しました。この他にはwundertaxが同じようなサービスを提供しています。「あなたは独身ですか?」といったような質問に答えていくと入力が完了し、各質問に対しても都度補足の説明があり、ELSTERのみで入力するよりわかりやすいです。
手順3の補足ですが、Smart Steuerではすべての質問への回答が完了すると、入力内容の一覧を記載したファイル(Vordruck)が出てきます。(この書類作成には無料で行えます)
大変ありがたいことに、各入力項目に番号が振ってあり、その番号がELSTERの入力項目の番号と一致しています。 (下の写真参照)
つまり、ELSTERでは番号が一致する項目に機械的に入力していくだけで提出書類が完成します。ただし、Smart Steuerはすべての書類作成には対応していないため、Smart Steuerで作れないものはELSTERで頑張って作ります。
もちろん、Smart Steuerなどのオンラインプラットフォームを通して直接申告を提出することもできます。
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提出後の動き
ELSTERで申請書を提出した後、1ヶ月くらい後に納税金額の通知がELSTERと書類で届きます。追加で書類が必要な場合はその通知が来るみたいですが、私は今年度は特にありませんでした。(良かった。。。)
税金の収め方
納税金額の通知書を見ると、金額と締切日が書いてあります。余裕を持った締切日が設定されていますが、万が一忘れてしまわないよう、できるだけ速やかに納税することをおすすめします。
納税は銀行振込で行えますが、その際には必ず自分の納税者番号(Steuernummer)、税の内容(Einkommensteuerなど)、納税期間(2020年など)を書きましょう。
まとめ
今回初めてのドイツでの確定申告ということで、何から手を付けたら良いのかわからず結果的にかなり時間をつかてしまいましたが、手順は理解できたので次回(今年度)の申告はもう少しスムーズに終えられるかなと思います。
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