こんにちは。ドイツ・ベルリンでヨガ・ピラティスインストラクターをやっているYuriです。
2017年にワーキングホリデービザを使ってベルリンに渡り、早いもので5年が経ちました。ベルリンで住民登録をして、仕事を見つけて、保険に入って、ビザを取って、税金を払って・・・と色々な手続きを乗り越え、ようやく「海外移住できた!」と実感しています。
この記事では、20代後半でヨーロッパ移住に挑戦した私の5年間を振り返りながら、海外移住の楽しいことやつらいことなどの現実を紹介したいと思います。
海外での暮らしに興味がある方や、移住を計画・実行している方の参考になれば嬉しいです。
SPONSORED LINK
20代後半~30代前半の5年間の主な出来事(仕事・プライベート)
2017年11月にワーキングホリデーでドイツに渡ってからこれまでの5年間にあったことをざっくりとまとめてみました。
- 2017年11月:ワーキングホリデービザでドイツに渡航
- 2018年4月:現地のヨガスタジオでレッスンさせてもらえることになり、ヨガインストラクターとしての仕事を開始(まずは週1レッスンからスタート)。同時期にベルリンの日本食料理屋でアルバイト(ミニジョブ)を開始
- 2018年9月:フリーランスビザに切り替え→ビザの関係により、バイトを辞める
- 2019年3月:ドイツでの初めての確定申告に四苦八苦
- 2019年5月:旦那と知り合う
- 2020年1月:引越し(同棲開始)
- 2020年3月~:コロナウイルス流行によるロックダウンで収入が激減(色々な仕事がキャンセルまたはストップ)
- 2021年6月:結婚→婚姻ビザへの切り替え。この頃からコロナで減った仕事がだんだんと戻り始める
こうやって見ると、あまり大きなイベントはなかったですね。
無職状態でドイツに来て、ヨガスタジオでの仕事が決まってからはずっとヨガとピラティスのインストラクターをしています。引越しも、今の旦那と同棲を始めるタイミングの1回だけ。
人によっては数年間で何度も転職したり、引越ししたりすることもあるかもしれませんが、私は頻繁な生活の変化をあまり好まないタイプなので、基本的に「現状維持」または「ちょっと改善」くらいのペースで生活しています。
5年間で実感した海外移住の現実
海外移住と聞くと、「おしゃれなカフェやレストランでの食事」「現地の友達との楽しい会話」「自然の豊かな公園でのピクニック」などの華やかなことをイメージする人も多いでしょう。
確かにそういった楽しいイベントもありますが、観光でも留学でもなく実際に住むとなると、それ以外にもたくさんあります。
特に生活する上で最も基本となる「衣食住」について、日本で住むのと同じ感覚・価値観のまま海外に行くと、色々なカルチャーショックや困難に苦しむことになるかもしれません。
海外は日本とは違う世界であることを理解することが、成功する海外移住の第一歩です!ここからは、5年間の海外生活で実感した海外移住の現実を紹介します。
前提:海外に住むことは楽しい
まず書いておきたいのですが、私はドイツでの今の生活をとても楽しんでいます。現時点では帰国して日本に住むことは考えていませんし、何かの事情で日本に帰国せざるを得ない状況になったら、とても悲しいです。
大変なこともあるけど、トータルで考えると海外生活は楽しいよ!というのが、私の考えです。
海外移住のおすすめ理由はこちらの記事で解説しているので、ぜひあわせて読んでみてくださいね。
現実①ビザの問題は避けては通れない
海外に住むうえで、ビザ(滞在許可)は必須です。これがないと住めません。
そして、私が「海外移住の現実」として最初にビザのことを書いた理由は、ビザの取得は決して簡単ではないからです。
例えば私がドイツ渡航時に取得した「ワーキングホリデービザ」は、取得が比較的容易なビザですが、申請できる年齢に制限があり、滞在できる期間は1年間です。(イギリスなど一部の国では2年)
また、その後に取得した「フリーランスビザ」には年齢制限はありませんが、フリーランスとしてドイツで生計を立てられるかどうかの審査があります。
私のドイツでのフリーランスビザ取得までの取り組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
さらに、現地でアルバイトや会社員として働きたい場合には、就労許可があるビザを取得しなければいけません。
私が持っていたフリーランスビザは、申請時に届け出た職業にのみ就労許可が下りるものが多く、私の場合は「ヨガインストラクター」としてのみ働くことが可能でした。(ちなみにドイツでは、一定期間フリーランスビザを保有すると、更新時にこの制約は撤廃されることが多い)
このように、ビザと一口に言っても種類や現地で許可されている活動内容は様々です。「ワーホリビザで1年間だけ移住体験する」といった期間限定の場合を除き、移住先の国のビザの種類、取得の要件や難易度、必要書類などをチェックしておきましょう。
現実②保険・税金・年金などの手続きに四苦八苦
私がドイツに移住してから、最も苦労したのは保険や税金などの手続きです。
現地の企業に雇用される場合には、会社から「この書類に記入してください」といった指示があったり、日本で言う年末調整などの手続きも会社側でやってくれたりします。
しかし、フリーランス(個人事業主)の場合は、すべて自分でやらなければいけません。
- 保険の加入手続き
- 個人事業主としての届け出
- 納税番号の取得
- 規則に沿った請求書の発行
- 確定申告
- 所得税や売上税の納付
上記のようなことについて自ら主体的に情報収集し、手続きを進めました。面倒なのが、情報のほとんどが現地の言葉(または英語)でのみ発信されていること。役所や保険会社から届く手紙も、当然全て現地の言葉です。
特に税金は、うっかり申告ミスや滞納をしてしまったらどんな罰があるか怖いので、かなーり慎重に進めました。
支援・仲介サービスを使うのもあり
「これからずっとここに住むんだから、多少の困難は自分で乗り越えないと」という気持ちで、できるだけ自力でやろうとするのもいいですが、外部の支援や仲介サービスを使うのもありです。
私の場合、保険はケルンにある仲介屋さんを使いました。英語で問い合わせできるので、とても楽でした。今でもお世話になっている仲介屋さんの利用体験は、こちらで紹介しています。
税金については、基本はドイツ語と英語のサイトで情報収集を行いつつ、ドイツにいる日本人の税理士にメールで質問したこともあります。(1,2つくらいの質問なら無料で答えてくれる)
このへんは、いかに現地で困ったときに助けてくれる人やサービスを知っているかが鍵なので、移住前から知り合いの1人や2人は作っておくのがおすすめです。
SPONSORED LINK
現実③言葉の壁には必ずぶち当たる
現地の言葉がネイティブレベルでない限り、言葉の壁には少なからずぶち当たります。
私は子どものころにドイツでの滞在歴があり、大学でドイツ語を専攻したので、2017年にベルリンに来た時からある程度のドイツ語はわかりました。
それでも、スーパーでの買い物やカフェでの注文といった日常的なコミュニケーションはある程度できても、税金や保険に関する書類の確認や、病院などでの専門用語がまじる会話には苦戦しました。
ドイツ語でヨガスタジオの同僚と会話したり、保険会社に電話で問い合わせたり、病院で診察を受けたりと、この5年間で色々な経験を積んで、ようやく自分のドイツ語に自信が持てるようになってきました。
移住コンサルタントや通訳を頼む手も
ちなみに、日本人が多い地域では、日本からの移住者のサポート(家探し、保険契約、ビザ取得支援など)を行うコンサルタントや通訳の人もいます。(ベルリンにも何人かいます)
言葉ができない場合はそういったサービスを使うのも方法の1つですが、当然お金はかかります。また、いちいち第3者を通して会話をしなければいけないので、時間もかかります。
結局、自分で言葉を理解して手続きしたほうが圧倒的に早い・安い・簡単なので、移住先を選ぶ際には「現地の言葉がわかるか(習得する場合は、言葉の難易度)」を検討ポイントとするとよいでしょう。
現実④住む部屋は簡単に見つからない
日本人が日本でお部屋探しするときって、候補となる部屋がいくつかあって、そこから選ぶイメージがあると思います。普通に仕事をしている会社員なら、特別選り好みをしなければ、比較的スムーズに部屋が見つかりますよね。
ただ、海外の人が日本でお部屋探しをするのは、日本の銀行口座や携帯番号が必要だったり、日本での仕事が必要だったりして、ちょっと難しいイメージありませんか?
日本人が海外に行くと、そのような状況になります。
例えばドイツでは、不動産会社から部屋を賃借するときに、収入や信用(借金がないか)に関する審査があります。
私が今住んでいる部屋に入居する際も、審査のために企業との雇用契約書や過去3ヶ月分の収入証明(給与明細)などを提出しました。
貸す方からすれば、「ちゃんと信頼できて、毎月家賃を払ってくれそうな人に貸したい」と考えるのは当たり前。
ちなみに不動産会社ではなく、個人が管理している物件なら、雇用契約書や収入証明がなくても借りられると思います。ただし、個人管理の物件では、大家の「30代以上の女性限定」「子どもはいないほうがいい」「喫煙しない人」といった独自の選定基準があったりするので、必ずしも借りられるわけではありません。
まぁ、部屋や家に関する苦労はだいたいお金で解決できるので(家賃がお手頃な物件ほど、借りたい人が多くて競争率が高い)、移住の初期費用として入居費を確保しておきましょう。
現実⑤日本食は高い
当たり前ですが、海外では日本食は高いです。昨年に一時帰国した際、ベルリンのアジアスーパーで€6(800円)くらいで売っているみりんが、日本のスーパーで200円くらいで売っていて衝撃を受けました。
納豆は、3パック入りで400円くらいします。魚にいたっては、海がないベルリンではほとんど手に入りません。(大きいスーパーやアジアスーパーに行ったらあるよ)
お寿司やラーメンなどはベルリンでも食べられますが、タイやベトナムなどのアジア系の人がやっている店が多いので、味はそこそこです。(日本の回転寿司のほうが美味しい)
日本人がやっている純日本食屋は、美味しいのですが、お値段もちょっと高め。ランチで3,000円、夜だと5,000円とか。
国や地域によっては日本食がそもそも手に入らない・食べられないこともあると思うので、あるだけ良しとしていますが、気軽には食べられないですね。
現実⑥なかなか日本に帰れない
ドイツに来た当初は「年1回くらいのペースで帰国したいな」と考えていました。その考えの通り、ワーホリでドイツに入国した約1年後(2018年)に一時帰国したのですが、その次の帰国は約4年後(2022年)!
4年もの間帰国が難しかった一番の理由は、コロナウィルスです。入国前72時間以内のPCRテストの陰性証明や、入国後の最長2週間の隔離などで、「帰国めんどくさい」となってしまいました。
2023年1月現在、PCRの陰性証明も隔離も不要ですが、今度はエネルギー価格上昇による航空券の高騰が、海外移住者の悩みの種になっています。
コロナ前は安いチケットだと€600(約8万円)くらいで取れていたのが、今は最低でも€1,000(約130,000円)くらいかかるんです!
航空券だけでその値段がかかるので、現地での食事や観光などの費用も含めれば、20万円くらいになります。
家族や友人に会えて、美味しい日本食が食べられる一時帰国は楽しいので、定期的にはしたいと思う一方、「20万円かけて日本に帰るくらいなら、どっか別の国に旅行したいな」ともつい思ってしまう・・・。
ヨーロッパなど日本から遠い国に移住すると、コロナや物価高騰などによって、帰国の心理的なハードルが高まってしまうことがある点にも注意です。
海外移住は理想ではなく現実を知って準備する
海外移住には、いい意味でも悪い意味でも刺激がいっぱいです。日本とは異なる環境で暮らすことにワクワクする一方で、ビザや部屋探しなど、日本では経験しなくて済むような苦労にも遭遇します。
今回は私がこれまでの海外生活で苦労したことを中心に紹介しましたが、私が本当に伝えたいのは、現実を知った上で、その準備(心構え)をしておくと安心だよ!いうこと。
ネットや現地在住者のブログなどで情報収集をしっかりと行い、移住の準備を行ってくださいね。
コメント