Withコロナのヨガ業界ーインストラクターとして生き残り戦略を考えてみた

コロナウイルスの感染拡大の影響により、ドイツでは3月中旬から6月上旬までの約3ヶ月間、ヨガスタジオやフィットネススタジオを含む多くの店・商業施設が一時営業を休止せざるを得ませんでした。

そして再開して約3ヶ月。スタジオでのレッスンは再開していますが、客足はまだ完全に戻ってきているとは言えない状況です。

仕事としてヨガインストラクターをしている身としては、満足にレッスンができない苦しさや経済的な不安もあり、心穏やかではない日々が続いています。

しかし、何もせずにいても状況は変わらない!そこで今回は、コロナウィルスをきっかけにヨガスタジオから遠のいた客足をどう取り戻すことができるのかを自分なりに考えてみました。

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ロックダウン後でもヨガスタジオにお客さんが戻ってこない理由

再開直後に人があまり入らないのは予想していました。しかし、3ヶ月経った今でもスタジオでレッスンを受ける生徒が少ない(回復していない)のは正直予想外でした。

以前はたくさんの生徒でぎゅうぎゅうになっていたスタジオも、最近はスカスカ。それはそれで生徒同士の距離を保てるので良いのですが、以前のように大人数でヨガを楽しむことはできなくなりました。

その理由として考えられることを書いてみました。

感染を心配している

やはり一番は感染への不安でしょう。自分自身が感染するリスクの他に、家族への感染を心配してスタジオに来られない人もいます。

コロナ前に毎週のようにスタジオに来てくださっていたある生徒さん。ロックダウン中もオンラインレッスンをほぼ毎週受けてくれていました。しかし、スタジオ再開前「年配の親と一緒に住んでいて、親にうつすことがあってはいけないから、しばらくはスタジオにいけない」と言われました。

他には、「公園など外のレッスンであれば平気だけど、室内はまだちょっと怖い」という人や「室内では窓が全開になっていないと不安」という人もいます。

オンライン・YouTubeレッスンで十分

ロックダウンをきっかけに、ドイツでは多くのヨガスタジオがオンラインでレッスンをはじめました。

オンラインレッスンは、スタジオでのレッスンが再開した今でも多くのスタジオが提供しています。スタジオでレッスンをしながらその様子をライブ配信する、という並行型スタイルも多くあります。

この豊富なオンラインレッスンが、スタジオから客足を遠ざける一因になってます。

ちなみに、オンラインでレッスンをしたからといって、スタジオレッスンと同じように人が集まるかと言えば、それは別の話で。お金を払ってスタジオのオンラインレッスンを受けるくらいならYouTubeで良い、という人もいるんですよね。

経済的な余裕がない

インストラクターが言うのもあれですが、ヨガのレッスンってけっこう高いです。スタジオにもよりますが、60分~90分のレッスン1回で2000円~3000円くらいします。

私は日本にいる時、東京のヨガスタジオのマンスリー会員でしたが、月4回のチケットで7,000円くらい払っていたと思います。1年間では10万円ほどをヨガに費やしていたことになります。

家でYouTubeを見ながらヨガをすれば基本的に0円なので、コロナで収入が減ったからヨガは少しお休みしようという人がいるのもおかしくありません。

在宅勤務でヨガスタジオに行く機会が減った

ヨガスタジオは、立地がかなり大切です。どれだけレッスンのクオリティが高いスタジオでも、家や会社から通いづらい場所にあるとなかなか行けません。

私自身、生徒としてヨガスタジオに行く時は基本的にアクセスの良さで決めます。

ベルリンではコロナをきっかけに多くの人が在宅勤務になりました。私の彼(ソフトウェアエンジニア)は3月中旬からずっと在宅で、少なくとも年内いっぱいはこの状況が続くようです。

そうなるとこれまで仕事前や仕事終わりに会社近くでヨガをしていたという人はスタジオに来るチャンスがなくなります。オンラインで家からも受けられる現在、わざわざ時間をかけて遠いスタジオまで来る人が減ったことも原因だと考えています。

ヨガをする習慣がなくなった

そもそもヨガをする習慣がなくなった人や、ヨガをする時間的な余裕がなくなった人もいるでしょう。ヨガは病院やスーパーなどと違って、行かなくても生活に影響が出るわけではありませんから。

週1回ペースでヨガスタジオに通っていたくらいの人であれば、ロックダウンでヨガの習慣が中断した後にもう一度定期的にスタジオに通うためには、けっこうな労力がいるんじゃないかなと。

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アフターコロナ・ウィズコロナでのヨガスタジオの生き残り戦略

書き出してみると、ヨガスタジオから人が減る理由がありすぎて辛くなりますね。すでに多くのスタジオが生き残りをかけて色々と工夫していると思います。私は経営者ではありませんが「もしスタジオオーナーだったら」という視点で対策を考えてみました。

スタジオでしか得られない経験を提供する

オンラインやYouTubeでもレッスンが受けられる状況でスタジオに人を集めるために大切なのは、スタジオでしか得られない特別な体験の提供でしょう。

スタジオでの特別な体験は、これまでもYouTubeや他の先生との差別化のために意識をしていました。

私の場合、レッスン中に生徒自身では気づけない部分のポーズを修正したり、リラックスの時間に簡単なマッサージをしたり、対面だからこそできることを積極的にしていました。しかし、コロナになってからは気軽に生徒に触れることができなくなりました。

そうなると大切になるのが、雰囲気。

静けさ、整頓された空間、リラックスできる照明、アロマやお香などで、家ではできない「ヨガ体験」を提供することができれば、その体験を求めてスタジオに来てくれる人はきっといます。

音楽やレッスン内容、教え方など、個人でもできることがたくさんあるはずです。「通いたくなるレッスン」を目指して私も努力していかないと!と思います。

YouTubeにはないオンラインレッスンの魅力を提供する

オンラインレッスンの敵は、YouTubeです。無料で受けられるYouTubeはたしかに魅力的ですが、対抗できないわけではありません。

私がここでポイントになると思うのが、豊富なレッスン固定のスケジュール

YouTubeには世界中の人によるレッスン動画が豊富にあります。反面、いちいち探すのが面倒でいつも同じ動画を見る、という人ってけっこう多いと思います。その点、オンラインレッスンであれば毎回違うレッスンが受けられるので飽きることもありません。

また、YouTubeは「ヨガをしたい」と思ったタイミングで自分でレッスン動画を探して再生する必要があります。自発的な行動が必要なので、やろうと思ってたけど結局しなかった…という人も多いですよね。

一方、オンラインレッスンは申込みさえしておけば後はZOOMなどのシステムを起動させるだけ!受動的にヨガを始められます。

例えば、毎朝8時からのオンラインレッスンを継続提供すれば、生徒側も「朝はヨガ」という健康的な生活リズムを作ることができます。これにより、オンラインレッスンは健康的な目覚し時計になるのです。この点もYouTubeとの差別化に繋がると思います。

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冬を乗り越えられるか心配…

だんだんと客足は戻りつつある気もしますが、私は今から冬が心配です。

というのも、寒くなってくると公園など外でのレッスンができなくなり、室内でも気軽に窓が開けられなくなってしまうからです。

実際、今はスタジオのレッスンに来てくれているある生徒からは「(コロナが怖いから)スタジオに来るのは9月いっぱいにしようと思う」という話を聞きました。

1.5mの距離を保っているとは言え、窓を締め切った密閉空間で1時間以上過ごすことに不安を感じる人はいるでしょう。

私自身、電車の中では窓や扉の近くなどできるだけ換気されている場所に立つようにしています。スタジオでのレッスンに不安な気持ちが全くないわけではありません。

かと言ってドイツの冬に窓を開けたままヨガをするのはかなり厳しく…これからどうなるか色々と不安です。

全体的に暗めな話になってしまいました。色々と不安はありますが、1日でも早く世界の状況が良くなることを願って、一人ひとりができること(感染対策)をしっかりやっていきましょう!

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