ヨガ=ダイエットによい、とされるネット記事は多くあり、ダイエットに効果的なポーズなどを紹介しているサイトもたくさんあります。
それらの内容を否定するわけではありません。私自身、4週間のインドでのヨガ修行で1.5kgくらい痩せました。(その後、1kgほど戻りました 笑)
今回の記事は、ヨガがダイエットにいいとか悪いとかそんな話ではなく、ヨガ=インド、インド=カレーかヨガと言っても過言ではないインドの人々がなぜあんなにも立派なお腹を持っているのか、その原因を私なりに分析した結果をご報告します。
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ヨガの国、インドの人はみんな細い?
この女性、見事なお腹です。
この写真はインドのデリーから北へ280km、ネパールの近くにあるリシュケシュ(Rishikesh)という小さな町で撮影しました。私がヨガ修行を行った町です。
ここは町全体がベジタリアンの町で、お肉、お魚、アルコールが手に入りません。(卵はある)そう、食べたくても食べられないのです。この女性がリシュケシュ以外の町から来たのかどうかはわかりませんが、もしリシュケシュ在住の方だとしたら、肉・魚・アルコール抜きでこれだけ太ったことになります。
ちなみにこの女性は肥満度でいうと★★★☆☆くらい(★☆☆☆☆が日本のお父さんのメタボ腹くらいの基準)で、お腹の周りに浮き輪を抱えているようなもっとすごい方もいらっしゃいました。
このリシュケシュはインドの中でもヨガの聖地と呼ばれている町で、町中にヨガのアシュラム(学校)があり、多くの人がヨガ関係の仕事に就いています。
ヨガがより身近な町ということですね。もちろん、スリムな方もいます。若い方やヨガの先生はみなさんスリムで、かつちゃんと筋肉があります。ただ、年齢を重ねるにつれて小太り系の方が増えてきて、特に年配の女性は日本人の比ではないくらい太っています。
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なんでこんなに太っちゃったの?
私の考える原因は3つ。食事、運動そして人々の意識です。
原因その1 食事
タイやインドネシアなど東南アジアの食事もその特徴がありますが、暑い国は食材が腐りやすいため、食材を油で揚げる、高温で処理する、という調理法であることが多いです。
インドの食事も基本的に油っぽく、ヨガ修行中にアシュラムで出てきていたカレーは油がしっかり使われていました。味付けについても濃いものが多く、特に塩を多く使っているしょっぱい料理が多かったです。(インド滞在中は日本のだしの味や薄い味がとても恋しくなりました)
また、チャイやラッシーなどの飲み物にも砂糖がたっぷり使われていて、甘くて美味しいのですが飲みすぎると危険な味がしました。
原因その2 運動
これはスポーツ、というよりも日々の生活で発生する動き(歩く、走るなど)なのですが、リシュケシュで4週間過ごした中で、そこに住む人々は日々の生活で歩く機会があまりないように感じました。
例えば日本人だと家から駅まで歩いて電車に乗って会社に行ったり、スーパーに買い物に行ったり、週末はどこかに遊びに行ったりと日々の生活の中で少なからず歩く機会があると思います。
一方、インドでは一つ一つの町自体が小さい上に、少し離れている場所には乗り合いタクシーやバイクなどで移動し、仕事場と家は近所、スーパーはそもそもないので近くの八百屋で購入、(ここからはイメージですが)周りに遊ぶところやカルチャースクールもないので主婦は基本家にステイ、といった感じで、ひょっとして日本人より運動してないじゃないか、と考えています。
原因その3 人々の意識
これが一番の原因だと思っています。日本にいると、街中にいる人はたいてい細いし芸能人はもっと細いし、テレビや雑誌ではダイエット特集や肥満によるリスクが多く紹介されており、太っていることが悪であるイメージが定着しています。
これはこれでちょっと異常だと思うのですが、そのイメージのおかげで「太るのはよくない」、「自分は太っている」という意識を持つ方多いのではないでしょうか。
インドにはその「考え方」がありません。田舎だとそもそもメディアがちゃんと普及していませんし、町の大人はたいてい小太り以上です。また、太っていることが富の象徴であるという考えを持っている人もいます。
インドは未だにお見合い結婚が多いそうなので、女子が「痩せてきれいになりたい!」と考えることも少ないのでしょう。こういった特徴は情報量が多いデリーなどの都会よりも閉鎖的な田舎町のほうが強い傾向にあると考えています。
以上がヨガ人口が多いはずのインドにおいて、太っている人が多い原因分析の結果です。
結局、ヨガは痩せるのか、という議論について
こちらについては近いうちに詳しく書こうと思っていますが、私の考えを簡潔に書くと「ヨガで痩せないわけではないが、ヨガやっとけば痩せるというのは正しくない」ということです。即効性を求めるのであれば食事の量を調整して筋トレするのがいいと思っています。
最後に
人が持っている意識や感覚は行動をかなり左右します。
リシュケシュ滞在中、カレーに浮かんだ油を見て「これは食べ過ぎるとやばいよね」という感覚を日本人は持ちました。
同じ感覚をインドのどれだけの人が持っているのでしょうか。リシュケシュには欧米から多くのヨギー、ヨギーニが集まり、そこに住む人々は他の田舎町よりもスリムな人たちを目にする機会は比較的多いはずです。
にもかかわらずぽっこりお腹の方が多いのは彼らの親や祖父母が同じように太っていることや肥満がもたらす病気のリスクを知らない、という意識面が強く影響していると考えています。
参考:インドの肥満率
この記事を執筆するにあたりインドの肥満率を調査したところ、WHOによる2014年のデータですがインドの女性の肥満率は調査した191カ国中183位と、ランキングでは低めでした。(ちなみに日本は190位)ただ、インドのどの地域の国民に対して調査しているのか、調査対象が何人なのかが不明なので、正確さはわかりません。実際に行った感覚としてはもっと多いように感じました。
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