こんにちは、ドイツ在住のYuriです。
ドイツでの生活に慣れると、日本に一時帰国した時にびっくりすることがいくつかあります。その一つが日本は日常の中で多くのゴミを生み出すということです。
無料でもらえるプラスチックバック、過剰包装、使い捨ての食器など・・・日本ではドイツよりも確実に多くゴミを排出していると実感します。
そこで今回は、環境先進国・エコの国と言われるドイツの人が当たり前にやっていて、日本人が出来ていない取り組みを4つ紹介したいと思います。
ちなみに、ここに書かれているのは当たり前ですが私個人の考えであり、ドイツやドイツ人の全体的なイメージです。
ドイツ人でも環境問題に興味のない人もいますし、日本人でもゴミの削減に積極的な人もいますので「ドイツ人はみんなこう」と決めつけないように参考にしてもらえればと思います。
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環境先進国ドイツ人の当たり前①ショッピングバックは持参
一番気になるのが、日本ではペットボトル1本だけの場合もレジ袋に入れられること。いらない、と伝える前に店員がまるで速さを競っているかのようにさっと入れます。その袋、本当に要りますか?
ドイツではスーパーはもちろん服や靴を買う時でも、基本的にショッピングバックは有料です。一枚あたり10セント(10円程度)であることが多いです。少し前までドイツのユニクロでは無料で紙袋に入れてくれていましたが、最近有料制になりました。袋代の一部が寄付されているみたいです。
有料であることが当たり前になっているため、エコバックを持っているのも当たり前。
たまたま持ち合わせていない時に買い物をした時は、手でそのまま持って帰るのが当たり前です。そのため、野菜やパンなどを手で持っている人も多く見ます。
日本でもレジ袋の有料化が始まったので、これからはドイツのように「持参するのが当たり前」の感覚がもっと広がっていけばいいなと思います。
環境先進国ドイツ人の当たり前②瓶・ペットボトルはデポジット制
ドイツで実施されているデポジット(ドイツ語ではPfandと言います)制度。ペットボトルやビンの飲み物を買う際、レジでデポジット(8セント~25セント)支払い、飲み終わったボトル・ビンを近くのスーパーなどで返すとデポジットが返ってくるというシステムです。
返すのは買ったお店でなくても大丈夫。消費者から返ってきたボトルやビンは工場に送られ、再利用されます。
ペットボトルは25セント(30円程度)のデポジットがかけられるので、それが何本にもなるとそこそこなお値段になります。
駅のゴミ箱などを漁ってデポジットのあるボトルやビンを探している人もよく見ますし、そういった人達のために、飲み終わったビンを街中に捨てる時は見えるようにゴミ箱のそばに置いておく、という暗黙のルールみたいなのもあります。
ドイツでは何年も前から実施されているのに、何でもっと世界的に普及しないんだろう、と疑問に思いますが、導入するための各飲料会社との合意や設備投資・システム構築が大変なんでしょう。
環境先進国ドイツ人の当たり前③いらないものはもらわない
たとえ無料でもらえるものでも、いらないものはもらいません。
ドイツ人の友人と一緒にストリートフェスティバルに行った時のこと。あるブースでその団体の活動を紹介するチラシが置いてあったのですが、「持って帰りますか」という団体スタッフの質問に対して友人が「家に持って帰っても捨てちゃうからいりません」と言っていたのが印象的です。
別のドイツ人の知り合いも、クリスマスマーケットでお店のパンフレットを渡されたのですが、去り際にもらったパンフレットをそっとお店の棚に置いて行きました。
ちょっと冷たい対応に見えるかもしれませんが、いらないものをもらってもゴミになるだけだし、配っている側としてもコスト削減になります。
他には、ケーキ屋や量り売りのお店に家からタッパーを持参してそこに入れてもらったり、マイボトルにコーヒーを入れてもらったりと、もちろん個人によって意識の差はありますが、綺麗に包むことや美しい見た目にあまりこだわらない、という雰囲気があるように感じます。
環境先進国ドイツ人の当たり前④食べきれなかった料理はテイクアウト
これはアメリカなどでも一般的だと思いますが、レストランで余った料理はたいていお持ち帰りできます。
店員さんが持って帰りますか?と聞いてくれることもよくあります。持ち帰り用のボックスを準備する必要はありますが、店側は余った料理を廃棄するコストが削減できますし、客側は美味しい料理を翌日にも楽しめます。
日本ではどうでしょうか。
以前友人とあるホテルのアフタヌーンティーを楽しんだ時、食べきれなかった焼き菓子やチョコレートを持って帰りたいと言ったら断られたことがあります。理由はわかりませんが衛生的な理由か、それがサービスマニュアルに書かれていないとかの理由だと思います。理由が後者だったらバカバカしいですね。
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【おまけ】日曜日はスーパー・店はお休み
日本からドイツに遊びに来た観光客にとってはあまり嬉しくないスーパー・店の日曜休業ですが、環境面においてもメリットのある制度です。
毎週日曜日をお休みにすることでその分の電気代をカットできますし、ドイツ全体がそのようなシステムになっていることでどこかのスーパーが日曜営業してボロ儲けする心配もありません。
ただし・・・日本で導入するのは無理だろうな、って思っています。なぜなら、日本は長時間労働の国だから。
定時で帰宅することが原則のドイツ人は、平日の仕事終わりでもお買い物をする時間があります。なので日曜日が閉まっていたとしてもそれ以外の日に買い物が出来るのです。
一方、平日は残業などで仕事しか出来ない、土曜日はゆっくりと寝て、日曜日に買い物などに出かける、という人が多いであろう日本では、日曜休業なんてしたら売上ガタ落ちしちゃうでしょうね。それがたとえ従業員や環境のためであっても、大切なのは「お客様」ですから。
ちなみに、ベルリン中央駅など一部のスーパーは日曜日にも営業していたり、年に数回”Einkaufssonntag”(買い物の日曜日)という日曜日にも営業される日もあって、そういった場所や日には普段通りたくさんの人が買い物に出かけます。
だからたぶん・・・本当はみんな日曜日にも買い物をしたいと思っているのかもしれません。
一人ひとりの意識の大切さ
外から日本を見てみると、日本での当たり前がとても特殊に見えてきます。
デポジット制、レジ袋有料化などを導入しても、利用者がそれに従わないと意味がありません。レジ袋が有料化しても、買い物袋を持参せずにお金を払ってしまえば同じですからね。
環境問題に本気に取り組むのであれば、国や企業などによる取り組みと同じく、「いらないものはもらわない」「エコバックを持ち歩く」といった個人レベルでの意識改革が必要だと思います。
日本の技術力や高品質の商品は素晴らしいと思うのですが、日本の旅行に行った外国人が肌に感じるのはコンビニやスーパーでの買い物です。
日本に旅行したドイツ人が「日本では何でも過剰にパッケージされている」と言っていたのを聞いたこともあります。
サービスとして様々なものを無料で使う・もらうという意識を、これからは変えていかないといけないな、と思います。
まとめ
冒頭にも書きましたが、ここに書かれているのはドイツ・ベルリンに住んでいる日本人の私が日々の生活で感じている感想です。
全てのドイツ人や日本人がここで書かれていることに当てはまるわけではありません。もしこの内容に疑問を感じたら、ぜひベルリンを訪れて、ドイツ人にとっての当たり前を体験してみてください。
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